熱帯低気圧レイモンドがメキシコ南西部沿岸を襲う:豪雨と強風の記録
2025年10月上旬、熱帯低気圧レイモンドはメキシコ南西部の沿岸を北上し、猛烈な雨と強風、高波をもたらした。ゲレロ州からハリスコ州にかけての沿岸部では道路の冠水や土砂崩れが相次ぎ、一時的な交通マヒが発生した。気象当局の観測によると、レイモンドは最盛期に最大風速50ノット(毎時95キロ)を記録した。
モンスーントラフからの発生:レイモンドの進路と発達
レイモンドの前身となる低圧部は、10月1日にメキシコ南部沖の東太平洋モンスーントラフ内で発生した。西側にあったハリケーン・プリシラの影響で当初は対流活動が抑えられたが、プリシラが北上して弱まると、10月8日にはメキシコ沿岸で深い対流が再発達した。OSCAT-3の観測と客船ノルウェージャン・ジョイからの報告に基づき、10月9日0600UTCに熱帯低気圧と指定され、6時間後に熱帯低気圧レイモンドへと成長した。
レイモンドはメキシコ北部の高圧帯に沿って西北西へ毎時10〜15ノットで進んだ。強い東風シアの中で、高い海面水温と上空の発散が発達を支えた。
最盛期:50ノットの暴風と沿岸の高波
10月10日0600〜1200UTCにレイモンドは最大風速50ノット(毎時95キロ)、中心気圧998hPaに達した。シワタネホからカボ・コリエンテスにかけて熱帯低気圧警報が発令され、沿岸では高波による浸水や侵食が発生した。
レイモンドの雨雲はシワタネホ周辺で豪雨をもたらし、都市部の冠水や道路の寸断を引き起こした。緊急作業隊が土砂の除去と電力復旧に当たった。
バハ・カリフォルニア半島南端での衰退:残骸低気圧と水蒸気の北上
最盛期後、レイモンドは乾燥空気と強い風シアに晒され、深い対流は中心から分離した。10月11日1800UTCに同半島南端付近で温帯低気圧(残骸)となった。
残骸低気圧は半島南端を通過し、カリフォルニア湾南部に一時出た後、10月12日1800UTCにロスモチス近海で消滅した。レイモンドの水蒸気は北へ運ばれ、メキシコ北西部と米国南西部に雨をもたらした。


