令和8年台風第12号ノウル、フィリピン東方で発生し南シナ海で最盛期を迎え華南沿岸へ影響を与えた急発達台風の全記録
2026年7月下旬、西北太平洋で発生した台風ノウル(令和8年台風第12号)は、フィリピン東方海域から南シナ海北部へ進み、中国華南沿岸地域に影響を及ぼした。
ノウルは7月22日に熱帯低気圧として形成され、7月25日に最盛期を迎え、最大風速毎秒45メートル、中心気圧955まで発達した。
フィリピン北部では接近に伴い熱帯低気圧警報が発表され、中国広東省や福建省周辺でも暴風雨への警戒態勢が取られた。
その後、陸地通過に伴って勢力は低下し、7月27日03時には熱帯低気圧へ移行した。
発生から台風化へ:フィリピン東方海域で進んだノウルの急速な発達過程
台風ノウルは2026年7月22日21時(協定世界時)、北緯15.8度、東経130.4度付近の西北太平洋上で発生した熱帯低気圧として観測された。中国気象局(CMA)の資料では、発生時の中心気圧は1000、最大風速毎秒15メートルで、フィリピン東方の海域で発達を開始した。
発生後、ノウルは北西方向へ移動しながら循環を強めた。7月23日15時には北緯18.0度、東経125.3度付近を進み、中心気圧1000、最大風速毎秒15メートルの状態を維持した。その後、雲域の集中が進み、7月24日09時には北緯19.2度、東経121.6度付近で強い熱帯暴風となり、中心気圧は985まで低下、最大風速は毎秒25メートルに達した。
同日15時には北緯19.7度、東経120.1度付近で中心気圧980、最大風速毎秒30メートルとなり、さらに21時には北緯20.3度、東経118.8度付近で台風へ発達した。この時点で中心気圧は975、最大風速は毎秒33メートルとなった。
フィリピンではノウル(現地名称:キヤポ)に対して現地防災当局が警戒情報を発表し、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)の熱帯低気圧警報システムに基づく警戒態勢が取られた。地域によっては熱帯低気圧警報信号第1号などが発表され、沿岸部では海上活動の制限や避難準備が進められた。
ノウルはフィリピン北部を通過する過程で強風と大雨をもたらし、住宅、農業施設、交通設備などに影響が発生した。地方自治体は避難所の開設や住民への情報提供を実施し、台風接近に対応した。
最盛期の勢力:ノウルが南シナ海で記録した最大風速と最低気圧
7月25日、ノウルは南シナ海北部で生涯最大の勢力に達した。中国気象局(CMA)の観測記録によると、同日09時には北緯21.5度、東経116.4度付近で中心気圧970、最大風速毎秒35メートルとなり、その後さらに発達した。
7月25日15時、ノウルは北緯22.1度、東経115.5度付近で中心気圧955、最大風速毎秒42メートルを記録した。さらに同日20時には北緯22.6度、東経114.8度付近で最大風速毎秒45メートル、中心気圧955となり、強い台風として最盛期を迎えた。
この時点でノウルは南シナ海北部を北西へ進み、中国華南沿岸に接近する位置にあった。広東省や福建省沿岸では強風、高波、集中豪雨への警戒が強まり、港湾管理、海上交通規制、低地での浸水対策が実施された。
気象庁の台風情報でも、ノウルの進路や勢力変化が追跡され、日本周辺の気象状況への影響確認が続けられた。日本列島への直接的な影響は限定的だったが、台風周辺の海域では波浪や大気状態の変化に関する情報が提供された。
ノウルは、長期間にわたり勢力を維持する型ではなく、発生から短時間で台風へと発達し、南シナ海北部で最大勢力に達した短寿命・急発達型の台風であった。
華南沿岸への接近:フィリピンから中国広東・福建へ広がった暴風雨対応
ノウルは南シナ海北部を通過した後、中国華南沿岸地域へ接近した。広東省、福建省周辺では台風による暴風雨への備えが進み、沿岸地域では漁船の帰港、観光施設の安全確認、交通機関の調整などが行われた。
中国の防災当局は気象情報に基づいて警戒を強化し、都市部では道路冠水や強風による障害への対応が進められた。農村地域では農作物や農業設備の被害確認が実施され、各地で復旧準備が行われた。
フィリピンでは台風通過後、被災地域の状況確認と救援活動が進められた。暴風雨による停電、住宅被害、交通への影響が報告され、地方行政機関や救援組織による支援活動が展開された。
日本では気象庁が台風情報を継続的に発表し、周辺海域の船舶や沿岸地域に対して気象変化への注意を呼び掛けた。西北太平洋で発生する台風は、日本、中国、フィリピンなど東アジア沿岸地域の広い範囲で防災対応を必要とするため、各国気象機関の観測情報が共有された。
勢力低下と消滅過程:陸上通過後に終息したノウルの循環変化
最盛期を過ぎたノウルは、陸地の影響を受けながら急速に弱まり始めた。7月26日02時には北緯23.1度、東経114.3度付近で中心気圧985、最大風速毎秒25メートルとなり、台風から熱帯暴風へ移行した。
同日08時には北緯23.8度、東経113.8度付近で中心気圧992、最大風速毎秒20メートルとなった。14時には北緯24.6度、東経113.5度付近で中心気圧998、最大風速毎秒18メートルまで低下した。
7月27日03時、ノウルは北緯26.7度、東経113.2度付近で熱帯低気圧へ移行した。この時点で中心気圧は1002、最大風速は毎秒12メートルとなり、台風としての循環は終息段階に入った。


