熱帯嵐ハロルド、テキサス州パードレ島に上陸した急発達と急減衰の全過程を記録する2023年8月の気象報告
2023年8月に発生した熱帯嵐ハロルド(Tropical Storm Harold)は、メキシコ湾で形成された熱帯低気圧から発達し、8月22日に米国テキサス州南部のパードレ島付近へ上陸した。
ハロルドは上陸前に勢力を強め、最大時には最大持続風速50マイル(約85キロ)を記録した。
上陸時の中心気圧は998ミリバールで、テキサス南部沿岸から内陸部にかけて強風、大雨、洪水警報の発表が相次いだ。
8月23日には熱帯低気圧へ移行し、最終観測時には北緯29.7度、西経103.3度付近で中心気圧1000ミリバール、最大風速20ノットまで弱まった。
メキシコ湾で発生→急発達:ハロルド、わずか1日で熱帯嵐へ
ハロルドは2023年8月21日18時(世界時)、メキシコ湾上の北緯24.7度、西経89.2度付近で熱帯低気圧として形成された。発生時の中心気圧は1008ミリバールで、最大持続風速は25ノットだった。
形成後、ハロルドは西北西方向へ進みながら発達を続けた。8月22日06時(世界時)には熱帯嵐へ昇格し、中心気圧は1006ミリバール、最大持続風速は35ノットとなった。その後も発達傾向が続き、同日12時には中心気圧1000ミリバール、最大持続風速45ノットに達した。
8月22日15時(世界時)、ハロルドは北緯27.1度、西経97.4度付近で最大強度に到達した。この時点で最大持続風速は50ノット(約85キロ)、中心気圧は995ミリバールと記録されている。米国立ハリケーンセンターの観測では、その後の上陸時には中心気圧998ミリバールとなり、最大風速50マイル(約85キロ)の熱帯嵐としてテキサス州南部沿岸へ進入した。
ハロルドは発生から約1日で熱帯嵐へ発達し、メキシコ湾の暖かい海面上を移動しながら急速に組織化された。移動速度は時速約33キロに達し、発達から上陸までの時間が短い熱帯低気圧となった。
沿岸都市を襲った風雨:大雨・洪水・竜巻監視が続いた影響地域
ハロルドの上陸後、テキサス州南部では沿岸部から内陸部にかけて雨雲帯が広がった。主な影響は強風と大雨で、複数の郡で洪水警報や竜巻警報が発表された。
クレバーグ郡ではパードレ島南部付近への上陸に伴い、バフィン湾沿岸のロヨラビーチで最大瞬間風速67マイル(約108キロ)が観測された。郡内では40〜60マイル毎時の風が広く観測され、降雨量は約2〜4インチに達した地域があった。
ビー郡では南部を中心に3インチを超える雨が降り、熱帯雨雲の通過に伴って強い風も観測された。デュバル郡では1〜5インチの降雨が確認され、北部地域では3〜5インチの広い範囲でまとまった雨となった。
ジムウェルズ郡では1〜7インチの降雨観測があり、北部地域で特に多くの雨量が記録された。複数回の鉄砲水警報が発表され、湖アリス北東部付近では冠水した低水路で救助活動が行われた。また、ライブオーク郡ジョージウェスト近郊では調査によりEF0級竜巻が確認され、最大風速75マイル毎時の突風によって直径数インチの枝が折れる被害が確認された。
アランサス郡、カルフーン郡、ゴリアド郡などでは強風と降雨が観測されたが、広範囲での大規模な被害報告はなかった。沿岸観測地点では高潮による水位上昇も確認され、港湾地域では浸水状況の監視が行われた。
上陸後の急減衰:ハロルド、8月23日に熱帯低気圧へ移行
ハロルドはテキサス州内陸へ進むにつれて勢力を急速に失った。8月22日18時(世界時)には最大持続風速40ノット、中心気圧997ミリバールまで低下し、その後も弱化が続いた。
8月23日00時(世界時)には熱帯低気圧へ移行し、中心気圧は1002ミリバール、最大持続風速は30ノットとなった。さらに同日12時(世界時)の最終観測では、北緯29.7度、西経103.3度付近で中心気圧1000ミリバール、最大持続風速20ノットとなり、ハロルドの循環は消散過程に入った。
ハロルドの活動期間は2023年8月21日から8月23日までで、発生から消散まで約2日間の短い熱帯低気圧となった。最終観測地点では最大持続風速20ノット、中心気圧1000ミリバールが記録された。


