熱帯暴風「アルビン」(2025年) 発生から消滅までの全記録
執筆:気象専門記者
発行日:2025年6月20日
出典:米国国立ハリケーンセンター (NHC) 熱帯低気圧レポート(TCR)及び各種観測データ
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| 最大風速 | 50 kt(25.7 m/s) | 1分間平均。日本の「暴風域」に相当。 |
| 最低中心気圧 | 999 hPa | KZC式による推定値(直接観測なし)。 |
| ピーク到達日時 | 2025年5月29日 18:00 UTC | (日本時:5月30日 03:00) |
| 階級 | 熱帯暴風(Tropical Storm) | ハリケーン未満。 |
3. 日本への影響(LOCALIZATION)
結果:日本への直接的な影響は皆無。
3.1 地理的遠隔性
アルビンは東太平洋(西経110度以東の低緯度域)で発生・消滅した。その移動経路は常にメキシコ南西岸沖であり、日本列島からは直線距離で約1万km以上離れている。 台風として日本に接近するようなコースは物理的に不可能である。
3.2 気象庁の警告情報
- 日本の気象庁は、本件に関して「台風情報」も「暴風域に入る恐れ」も一切発表していない。
- 国際的な航海警報(SHIP WARNING)のみが、NHCを通じて発出されたが、日本の排他的経済水域(EEZ)には全く影響しなかった。
- 高波等の間接的な影響も確認されず。 日本沿岸の波浪観測値に、アルビン由来のうねりは記録されていない。
5. 結論に代えて
熱帯暴風アルビンは、巨大なスケールのモンスーントラフから生まれ、遠洋で極めて静かに息を引き取った。そのピーク強度は熱帯低気圧の下限に近く、人的被害はゼロ。しかし、このような「影の薄い」嵐であっても、散乱計データ、衛星画像、そして複数の客観推定手法を駆使した、NHCの精緻なベストトラック解析が行われている。アルビンは、2025年の東太平洋ハリケーンシーズンにおける最初の、そして最も弱い、忘れられた嵐として記録に残ることだろう。
(了)
本レポートは、米国海洋大気庁(NOAA)傘下の国立ハリケーンセンター(NHC)が公開したTCR(EP012025_Alvin)に基づく。


